理系の小売業 2018 8 19

 多くの人は、こう思うでしょう。
このサイトは、コンピューターや物理学の記事が多いのに、
何の脈絡もなく「小売業」の記事もあるのが不思議である。
 実は、理系と小売業は近いものがあります。
あなたは、こういう体験がないでしょうか。
私は、高校生の時に、化学の授業で、
実験をするときに手順を間違えたのか、
失敗してしまいました。
 そこで、先生から怒られてしまったのです。
「実験に失敗はつきものである。
だからこそ、最初は少量の材料で実験をして、
うまく行ったら材料の量を増やして実験すべきだ。
最初から高価な材料を大量に使ってしまっては、
もう実験ができなくなるではないか」
 私が20代の頃、このような話を聞いたことがあります。
「婦人服の流行を作りたい。
しかし、いきなり東京で発売して失敗したら致命的である。
そこで、最初は、盛岡市や富山市で発売して、
うまく行くか実験をしてみたい。
そこで、うまく行ったら仙台市で発売して、
手ごたえを感じたら、東京で発売をする」
 なんとなく理科の実験を連想させます。
実験に失敗はつきものです。
だからこそ、いきなり大規模な実験は避けて、
最初は、小規模な実験をして、
それがうまく行ったら、中規模な実験をする。
 小売業も同じでしょう。
いきなり大規模な事業展開をしないで、
小規模な店舗で「実験的な販売」を試してみる。
それがうまく行ったら、どこかの県で実験販売をする。
それもうまく行ったら、全国で、新しい販売方法にする。
 完璧な準備をして、教科書通りにやっても、
実験は失敗するものです。
失敗をすると、前日と比べて、気温が高かったのか、
あるいは気圧が高かったのかと、
いろいろと考えたくなるでしょう。
 消費者の行動も「気まぐれ」で予測不能のところがあります。
だからこそ、最初から大規模な実験をしてはダメです。
 宇宙ロケットも同じようなものです。
今、日本のロケットは成功が続いていますが、
昔は、失敗の連続でした。
日本の頭脳を集めて完璧な準備をしても、
それでも「想定外の事態」が起こるのです。
消費者相手の商売でも、想定外の連続だと思います。



























































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